【解説】痛風はなぜ起こる?尿酸値の仕組みと「酸性・アルカリ性」が関係する理由

痛風(つうふう)は、「風が吹くだけで痛い」といわれるほど強烈な痛みを伴う病気です。
その正体は 尿酸が体に溜まり、結晶化すること により引き起こされます。

この記事では、痛風の根本メカニズムを初心者向けにわかりやすく解説しながら、
体の酸性・アルカリ性(尿のpH)がどのように関係するのか を丁寧に説明します。

※この記事では、酸性・アルカリ性の基本だけ触れ、
詳しい「アルカリ性になる食べ物」は別の記事で解説する前提でまとめています。


■ 痛風とは?

痛風は、体内で増えすぎた 尿酸(にょうさん) が関節に結晶として沈着し、炎症を起こすことで発症します。

痛風の症状

  • 足の親指付け根が腫れる
  • 触れられないほどの激痛
  • 赤く熱を持つ

最も多いのは 足の親指の付け根(母趾MTP関節) です。


■ 痛風の元になる「尿酸」とは何か?

尿酸は、体内に存在する「プリン体」が分解されてできる老廃物です。
プリン体は、

  • 食事(肉、魚、アルコール 等)
  • 体内の細胞の代謝

から常に作られています。

通常は腎臓を通り、尿として排出 されます。
しかし、以下のような理由で尿酸値が高くなることがあります。


■ 尿酸値が上がる2つの原因

① 尿酸が作られすぎている

  • 飲酒(特にビール・日本酒)
  • 肉や魚卵の食べすぎ
  • 肥満(内臓でのプリン体代謝が増加)
  • ストレス
  • 激しい運動(細胞の代謝が増える)

② 尿酸が排出されにくくなっている

  • 水分不足(脱水)
  • 腎臓の機能低下
  • アルコール(排出を妨げる)
  • 遺伝体質

このどちらか、または両方が起こると、尿酸が血液中に溜まり 高尿酸血症 となります。


■ ここが重要:尿酸は「酸性」で固まりやすい

尿酸には特徴があります。

● 尿酸は酸性環境で溶けにくく、結晶になりやすい

体内、とくに 尿(尿路)のpHが酸性に傾くほど、尿酸は固まりやすくなります。

つまり、

  • 体の状態が酸性に傾く
  • 尿のpHが下がる(=酸性に近づく)
  • 尿酸が結晶化しやすくなる
  • 痛風・尿路結石のリスクが増える

という流れが起こります。

● 一方、アルカリ性に近づくと尿酸は溶けやすくなる

尿が pH6.5~7.0(弱アルカリ性) だと、

  • 尿酸が結晶化しにくい
  • 排出されやすい
  • 痛風リスクが下がる

というメリットがあります。

ここがポイント

✔ 痛風は尿酸値の高さだけでなく “尿の酸性度” も強く影響する病気
✔ 体が酸性に傾く食生活・飲酒・生活習慣が痛風リスクを押し上げる


■ 痛風発作はなぜ起きる?(メカニズム)

  1. 尿酸が増える
  2. 体が酸性になり、尿酸が溶けにくくなる
  3. 関節に尿酸の結晶(針状結晶)ができる
  4. 白血球が「異物だ」と判断して攻撃
  5. 関節が赤く腫れ、激痛を引き起こす

特に足の親指に多い理由は、
体温が低くなりやすく、血流が滞りやすく、結晶ができやすい環境だからです。


■ 痛風を防ぐために重要なポイント

この記事では食材の詳しい話は触れませんが、
「何をどう改善すべきか」の方向性だけ先にまとめます。

① 水分をしっかりとる(1.5〜2L/日)

尿酸の排出が促される。

② アルコールを控えめに

アルコールは

  • 尿酸の産生を増やし
  • 排出も妨げる
    という“二重の悪影響”。

③ 体を酸性に傾けすぎない

肉や加工食品が多いと酸性に偏りやすい。

※どの食品がアルカリ性(尿を中和)してくれるかは別記事で解説予定。

④ 野菜・果物・海藻類を増やす

体を中和し、尿酸が溶けやすい環境をつくる。

⑤ 適度に体重管理

肥満は尿酸の産生を増やし、排出効率を下げる。


■ まとめ

痛風は、

  1. 尿酸が増える
  2. 体の酸性化・尿の酸性化で尿酸が溶けにくくなる
  3. 尿酸が結晶化し、関節で炎症
  4. 激痛の発作が起きる

というメカニズムで発症します。

痛風対策というと「プリン体を減らす」ばかり注目されますが、
実は 体の酸性・アルカリ性のバランスも非常に大切 です。

次の記事(別記事)では、
✔「アルカリ性に寄せて尿酸を溶けやすくする食品」
✔「体の酸性化を防ぐ食べ物・飲み物」
を詳しく解説できます。

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